とある説によると、遡ること江戸時代。この頃に日本人らしい「お金のために生きるのではない」という美徳の意識が生まれ、ずっと受け継がれてきているともいわれています。
しかし世の中は大きく変化しました。特にお金という視点でいえば、2000年あたりから急速に加速してきたIT技術の進歩を背景に、インターネットやクレジットカード、携帯電話を使って、現金を持たなくても買い物ができる「キャッシュレス」時代が到来。これによりお金の仕組みやサービスも、わずか15年ほどで複雑・多様化し、今やスマートフォン片手にシュッとするだけで完結する、それこそ大変革と呼べるタイミングを迎えたのです。
こうして暮らしでつかうお金や銀行なども「じぶんで選ぶ」時代が当たり前となり、人生を決断する上での選択肢が多様化しました。今や年金のお金までも選択する時代がやってきています。
少しだけ想像してみましょう。お給与をもらった後、何に使うか、どこの銀行にいくら置いておくか、ある程度貯まったらそのお金をどのように使うかなどなど。こうした日々の中で私たちは生活していますが、どうやって的確な判断を下したら良いのか、その選び方を私たちは学ぶことなくいつしか大人になっていきます。
仮にも、ある場面においては一番の選択をしたと思っていても、状況が変わればまた考えを改めることも、生きていく中でたくさんでてます。そんな変化とともに向き合っていく人生において、どのように選択をしていったら良いのでしょう。理想の未来を描く時にこそ、お金の選択も大切な判断基準になってきます。
いいかえれば、お金のことを知ることは自分の人生の選択と向き合うことでもあり、やがて世の中の仕組みや社会・経済の理解にもつながっていきます。そして、この先の人生の選択を、より良い方向へと導く「道しるべ」にもなります。