今、どうやら世界経済は、大きく変わろうとしています。これまにでも何度も言われてきたことのようですが、実は、これまでのそれとは様子が違うのです。その変化について、ここで少し向き合うとともに、何が変わっていくのかに焦点を当てたいと思います。それは、言葉としてはありきたりになってしまうのですが、お金とテクノロジー(IT)が一つになっていくということ。もちろん、この視点については今に始まった目新しいものでもありません。これまでにも議論され続けてきたテーマであります。しかし、ここで強調したいのは、これまでの10年のそれと、ここから始まる10年はまるで違うダイナミズムを持って変化していく兆しがあるということ。お金に対する価値観すらも根底から変えてしまうほどの力強さがあるということです。
 

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お金=0101

 

現在もすでに、私たちを取り巻くお金環境はほぼデジタルで管理されています。銀行や保険会社をはじめとする金融機関が扱うのは「数字」であり、いわばデーターとして厳重に保全されている状態にあります。ごく一部を除き、コンピューター上で把握されています。フラットに言ってしまえば、お金も「情報」に過ぎず、デジタルの 0101信号に置き換えられている存在とも言えます。つまり、今や「お金」こそ世界を駆け巡る情報テクノロジー(IT)となり、日々の生活の営み、経済を支え続けているのです。

そんな流れの中で迎えた2007年。世界を一変させてしまう革命的な変化が訪れます。みなさまご存知のiPhone(スマートフォン)の登場です。スマートフォンは携帯電話の在り方を変えただけに止まりません。金融・経済の世界にこそ、一つの分岐点を生み出したのです。「いつでも、どこでも」という場所を問わずインターネットにつながる「モビリティ」の可能性から、お金の決済をもっとタイムリーに便利にできないものか?煩雑で難しい作業をもっと簡単にできないものか?と、世界中で新しいイノベーション開発が爆発的に進み、新たな創造へと歩みを進めることになったのです。ここからの金融の歴史が変わると言わんばかりの熱量を帯びて。こうして2014年後半あたりから突如のごとく、あるキーワードが台頭してきました。それが「FinTech(フィンテック)」と呼ばれるものです。
 

「FinTech(フィンテック)」とは、「金融(Finance)」「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語として、アメリカのシリコンバレー(アップル・グーグル・Microsoftなどの最先端企業が集まる聖地)を発症に生まれた用語です。金融分野にスマートフォンをはじめとする最新のIT技術を導入することで、より便利に快適に、新しい時代を切り開こうという動きが始まりました。用語としては時代とともに何かのキーワードに置き換えられていく可能性はあるものの、お金とテクノロジーの本質を追求する技術革新が止まることはないでしょう。→コンテンツ「フィンテック」

ファイナンス × テクノロジー

 
ファイナンス(=金融=お金)」と「テクノロジー(=技術)」。もはやこの二つのキーワードをそれぞれ別にして、今後のお金や経済を語ることが困難な時代になってきました。お金を取り巻く環境が変わる時、その裏には必ずテクノロジーの発展があります。言葉としては難しいように思うかもしれませんが、実はもう知らないうちに生活の至るところで触れている状態にあります。例えば、何気に使うSUICAのような交通マネー。現金で買っていた切符がいつしか電子マネーで決済されるようになり、IT技術で生み出された仕組みで当たり前のように動いています。レジで支払うお金もほぼデジタル化。クレジットカードだけでなく、デビットカードや電子マネー、強いてはApplePayのような新たな技術で支払うことが進み、ゆくゆくは指紋だけで買い物ができる日も、そう遠くないことでしょう。あらゆる角度で今後お金を取り巻く環境が、より手間のかからないデジタル化へと向かい、その動きをトラブル ルのないようデザインし機能する「人工知能」の開発も爆発的に進んでいくことでしょう。 

 
 

お金の歴史が変わる日

 

そんな流れの中での2014年。とある企業が破綻したことで、お金の歴史が変わるかもしれないと思うほどの大きな事件が起きました。それが専門家の意見を真っ二つにするほど困惑を生んだマウントゴックス社の破綻です。「ビットコイン」と呼ばれる暗号通貨の存在が一躍話題となり、これまでになかった新たな通貨の存在に世界は驚きました。しかし、お金の歴史が変わるかもしれないと思うほどのインパクトをもたらしたのは通貨の存在そのものではなく、ビットコインを裏側で支える「 ブロックチェーン」と呼ばれるシステムにありました。これに世界は顔を青ざめることになったのです。詳細はここでは避けますが、これまでの常識、いや、経済史が積み上げてきた株式市場をはじめとする金融システムの存在を根底からくつがえすほどの大きな衝撃がそこにありました。経済のメカニズムが、新たにデザインされる可能性が見出されたのです。プログラミングと呼ばれるコンピューター言語の連鎖が、今や経済そのものとなり、通貨そのものであると。

 FPからフィンテックFPへ
次なる10年に歩みを進めます

NEXT10TH YEAR

 
このような時代の分岐点とも言える今だからこそ、次なる10年に向けて当オフィスとしての活動を今一度、整理してみました。そして、未来の扉を開けた先に広がる景色をイメージし、そこから次なる「テーマ」を引っ張り出すように向き合ってみました。そこはまぎれもなく「お金」と「テクノロジー」が溶け合うように進んでいく世界。それぞれ分かれていたものが一つになっていく世界。これらをただ眺めるのではなくお金の本質を見失うことのないよう、金融業界やイノベーション業界で捲き起こる革命的なチェンジと発展をくみ取り、ひとりひとりの暮らしが前に進むよう貢献すること。ファイナンシャルプランナーとしてできることを前に進めていきます。そのためには中立公正に物事を伝える伝達者となり、時にはデザインや開発に関わったり、様々な業界と協力しあうことも必要になるかもしれません。これから20年、30年先をイメージする時、それは今ある常識で物事を考えるのではなく、今にない未来を素直に受け止める強さが必要だと当オフィスは考え、次なる10年に向けた歩みとしたいと思います。これからも、よろしくお願いいたします。
 

ファイナンシャルプランナー織田事務所
織田昌典